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伯爵の告白  グレース・バローズ



感想 ☆☆☆☆+0.5
いい。
凄くよかった。
お互いの古傷をじわじわ染み込むように労わり思いやり癒していく姿がなんともいえずよかったです。
タイトルは伯爵(ヒーロー)の告白になっていますがパン職人(ヒロイン)の秘密という感じの話かな。
シリーズものなので可能なら前作「」を読んだ方が細かい話の展開がわかってより面白いと思います。
私は読んでいないのでなんでそうなった?なところが時々ありました。

戦争で酷いトラウマに悩まされているヒーローなんですがそれ以変に屈折したところがないんですよね。
公爵の庶子で高級娼婦の母親に捨てられた過去があるのでシニカルなところはあるものの
寛大で特に自分が手をかけることになった(この辺の詳細は「伯爵の求婚」に書かれているっぽい)貴族の男
の庶子にもめちゃくちゃ優しくてすごく微笑ましい光景をみせてくれるんです。
そんな子供と接し率直で察しのよいヒロインに心身共に平穏を少しずつ取り戻していくヒーローの姿が
とってもよかった。
ヒーローを支える親戚、兄弟、家族の静かだけど力強い働きかけも読んでいて癒されました。
ヒロインの秘密にもうすうす気づきつつもヒロインが勇気をだして全てを告白するまで待つ寛容さが素敵。
ヒロインは若気の至りで自分に罰を与えるように苦しむんだけどそんなの気にしないヒーローの包容力に
もっと早く気付いてくれればなーとつくづく思いました。

ヒーローの異母兄弟たちのシリーズが何冊も出でいるようなのですが翻訳されているのは全部3冊のみのよう。
本当なら今作で登場したピアノ演奏家のヒーロー弟の話が続くようなんですが出ていません。
本作が2012年翻訳なのでこれで終わりなのかもしれません、残念。

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あらすじ
公爵の庶子セントジャストと戦争から帰還するもののトラウマに悩まされ生きる意味を見失いそうになっていた。
公爵家を継ぐ予定の継弟の働きかけで死んだ伯爵の領地を引き継ぎローズクロフトという新しい伯爵位を得た。
その領地には先代の伯爵の庶子ウィニーがうろついていたがセントジャストは父親を殺したのは自分であったのと
継弟の妻の姪にあたることもありその子の面倒を見ることにした。
今まではウィニーの従姉にあたる女性でパン職人のエミーが面倒を見ていた。
セントジャストはエミーに住み込みでウィニーの家庭教師をして欲しいと依頼する。

エミーはウィニーが結局は貴族に冷遇されることを心配し反対するがセントジャストはしっかりと将来の
事も見据えている事でエミーを説得する。
ウィニーは次第に生き生きとしてきたが生まれのせいでエミーは地域から蔑まれている自分の立場を思い
たった一人の肉親であるウィニーから離れなくてはならないと苦悩する。
エミーは戦争のトラウマと戦うセントジャストの姿に気が付きその苦悩を思いやる。
二人はお互いにふさわしくないと悩むが惹かれあう気持ちに抗えず恋人になった。
エミーは純潔をセントジャストにささげられなかった事に涙するが暗い体験があるセントジャストにとっては
それはあまりに些細な事だった。
セントジャストは誰にも離せなかった戦争での体験をエミーに告白する。
エミーを腕に抱く時セントジャストは心の平穏を得られるがエミーが何か隠している事に気づかずにいられなかった。

セントジャストはずっとエミーと共にいたいと願うがエミーはウィニーの新しい家庭教師が見つかり次第
離れたいと譲らなかった。
ウィニーはそれを察し家出してしまう。
無事見つかりエミーと一人となり全てをセントジャストに伝える覚悟をする。
セントジャストは全てを察していて全てを受け入れた。

<関連作>
・伯爵の求婚(マグノリアロマンス)
・伯爵の告白(マグノリアロマンス)
・レディの願いは口づけに隠して(ラズベリー・ブックス)


ふじ・つぼ
Posted by ふじ・つぼ
投稿 2018年11月15日
最終更新 2018年11月15日